グローバリゼーションと協同組合部会・研究会に参加して

                     2020年4月20日    庄司  興吉


 内田聖子氏の「日米貿易協定の問題点」をうかがって、アメリカのグローバル化への
対処の仕方ーーアメリカのグローバリズムーーがよく分かりました。アメリカは、「ア
メリカ・ファースト」の原則に従って各国とできるだけ個別に自分に都合の良い通商協
定を結び、世界の交易秩序を自国の利益に従わせようとしてきているのです。内田氏が
言うようにグローバル化は世界を巻き込んでいる大きな過程ですが、それに対する各国
および各勢力の対処の仕方ーーグローバリズムーーは違うし、違わなくてはなりません
。協同組合としては、協同組合らしい通商や貿易のやり方を主張して実践し、世界経済
を互いに助け合う人びとの協同的な行為と関係から成るものに変えていかなくてはなら
ないのだ、と思います。

 そのために日本の協同組合は、とくに農業の分野においてアメリカの一方的な要求に
屈せず、日本の農業を守り、同様の立場におかれている諸国と協調して、WTOなどの場

をつうじて多国間協調の貿易・通商の協定や慣行をつくっていかなくてはならないと思
います。その立場では生協も一致できるはずです。私は大学生協の会長として2012年の
国際協同組合年・協同組合憲章づくりに参加し、21世紀社会づくりに貢献していく協同
組合の大きな可能性に気づかされました。日本の協同組合は、このあとにできた日本協
同組合連携機構を中心に団結し、日本の農業政策および貿易・通商政策を変えていかな
くてはならないと思います。

 新型コロナウィルス感染症のパンデミックは、協同組合にとっても大きな試練です。
まずは一人ひとりが身を守り、政府に感染拡大防止と医療体制整備のための最大限の政
策実践を要求していかなくてはなりません。それをつうじて諸勢力の力関係を変え、協
同的関係の広がりをつうじて21世紀社会を基層から変えていくために、何ができるかを
皆さんと考えていきたいと思っています。